12月17日 与那国物語(8)

12月17日、日曜日、曇りのち強風

船会社から電話があって、今日も欠航だそうだ!
どうしようもないから、今日は離島めぐりをする事にしよう。

マックス・バリューに車を置いて、自転車で『八重山観光フェリー乗り場』まで行って、『竹富島』行き!の切符を買いました。

石垣島を10時に出発して約15分の船旅だ!
石垣湾から出てみると、海は大シケで、風も強く波が船底を叩きつけて凄く怖い・・・
一緒に乗っていた観光客のオバチャンは『生きた心地がしていない!』って顔をして・・・ギャ〜!って。

竹富港に着くと、観光客を目当てにした島の人達がズラッと並んでお出迎えをしてくれます・・・どうやら島の営業スタイルみたいです。
港に着いたワタシは折りたたみ自転車を取り出して、街中を目指して走ってみました。

この島に来たヒトは海を見るよりも、街中を散策する事をおススメします。
それは・・・この竹富島・住宅街が『国立公園に指定』された島だから。

家の向きがほとんど南を向いていて、1609年に薩摩の侵略を受けて、廃藩置県を明治政府が行う明治35年まで続いた過酷な『人頭税』を強いられたしまが・・・竹富島

この住民は『売らない』『汚さない』『乱さない』『壊さない』『生かす』を基本理念として豊臣秀吉の時代から・・・今も生きている。
島の文化として・・・住宅地の道路は、海岸から年に2回・珊瑚の入った砂を取りに行って、町中に敷きつめている(雨が降ると直ぐに流されてしまうから、年に2回採取するんだろうか?)
竹富島の道路は、実にキレイに掃除がしてある事にビックリするはずだ!
この島には・観光用に『水牛』が歩いているから・・・必ず道路にウンチをするはずなのに、全く無いんだ!(町をあげて掃除してるんだと思う)。

そして民家は昔ながらの平屋の赤レンガに漆喰塗りの沖縄のイメージそのまま残されています!
家を台風から守るサンゴの岩を積み上げた塀がこの島には残っています。

石垣に旅した人は・・・この竹富島に来ないと後悔するだろう!
気をつける事は・・・食べる所が少ないのと、物価が高い!って事を頭に入れておいて下さい!

12時までには街中を走りぬけてしまったから、石垣島に戻って、『黒島』いこうと思うんだ!
12時30分石垣島発のフェリーに乗り込み、30分かけて黒島にたどり着いた!
島田紳助がこの島で牛の世話をしていた事が、テレビでも放映されていたから、気になって来てみたんだけど・・・・本当に何も無い島だった!

牛は本当にたくさん居る!
それしかないの・・・・チャリンコで島を走と、1時間半もあれば島を満喫してしまう。

これだけ牛がいるのに、焼肉屋の1件も無いなんて・・・どうしてなんだろう?
仕方がないから、15時黒島発のフェリーに乗って石垣島に帰る事にしました!
何にも無い世界が、この黒島にはあります・・・のんびりした時間を過ごしたいヒトは
訪ねてみるのも良いかもしれません。

ようやく、明日は与那国島に帰れそうだ!
早目に石垣島に着いたから、ゆっくり休む事にしましょうね!おやすみなさい。

12月16日 与那国物語(7)

一端石垣島
12月16日、土曜日、あめ
今日は、あさ8時半に与那国行きの船に乗る予定にしてたのに・・・船会社から突然に電話が掛かってきた!
井上さん!!『今日は海が荒れているので、欠航します!明日臨時便を出しますんで、明日船着場に来て下さい!』っというものだった。
 はじめての経験・その5 交通機関は、自然にかなわない!
仕方がないから、今日は石垣観光に予定を変える事にしよう!
石垣空港から、反時計回りに北上する事にしました!(雨の中だから、せっかくの石垣の風景が全く見えないのが残念です)。

『伊野田キャンプ場』を通過して・・・・ここまで来たんだから、最北端の『平久保崎灯台』まで行ってみました!!
だけど・・・風がキツクって車から降りる事も出来ない!(雨が叩きつけるように降ってるから最悪のコンディションだ)。
自然には逆らえないから・・・・お昼前に『明石食堂』に行って『そうきソバ』を食べる事にしました!

この店は石垣島の市役所観光課の人が『いつ行っても、行列ができる店ですから、食べてみて下さい!』って言われてた名店です!(11時開店の直ぐ後に入ったから、そんなには混雑してなかったですけど・・・)。
『そうきソバの中盛り』を頼んでどんなものが出てくるか・・・とっても楽しみだった。
沖縄ソバの上に、真っ黒に煮込んだ分厚い豚肉が2枚!デーンとのったものが目の前に出された!(こんなチャーシューは見たこと無いぞ!ほんで、美味い!)
御飯を頼んでおいて良かった・・・・これはもう1度食べたいソバだね〜!(俺が食べ終わった頃には、たくさんのお客さんで賑わってたよ)。
食後のデザートでも食べようと思って、少し下って『トムル』という喫茶店に入ってみました。
ここは芸能人『島田紳助』のお店なんだけど、今日はお客が誰も居ませんでした。
冬だから・・・『ゼンザイ』を頼んで・・・しばしの休憩!

東シナ海』沿いに走っていくと、『米原キャンプ場』に着きました!
ここは石垣市が監理しているらしく、12月29日まで開店しているみたいですね〜!
運がいい事にこのキャンプ場のシャワーが使えそうだ!
溜まった洗濯物を抱えて、シャワー室に入ってみると・・・冷たい!!(水しか出ない)・・・
今日は雨が降っていて寒いんだよ〜!
ガタガタ震えながら12月の水シャワーに入って身体を洗って、洗濯物を寒さに耐えながら全部洗っちゃいました!(今度は晴れた昼間に利用したいものです)。
洗濯を終えたあと、クルマを走らせ・・・16時にやっと『川平湾』に到着しました!
石垣に来たら、一番海がキレイに見える場所なんじゃあないかなあ?(俺はそう思う)

だってこんな最悪の条件の日でも、充分透きとおった石垣の海を見ることが出来るのはここしか無いと・・・(遠浅の海岸が青い海を見せてくれるんだろうねえ!)
今日は与那国島のテルミ姉さんから頼まれた品物を、100円ショップに買いに行かなきゃなんないから、そろそろ空港に帰る事にしようかねえ!今日もスパー『マックス・バリュー』で就寝!おやすみなさい。

12月15日 与那国物語(6)

昨日は全く寝れなかった!民宿『阿壇(あだん)』のオヤジが朝の4時まで客と共にサンシンを弾きながら歌ってたからだ!
2つ隣の部屋にいるのに、この壁の薄さは新聞紙級だと思う!
話の内容や、唄の歌詞まで全部聞こえるんだもの!(たまったもんじゃない)

さ、空を見上げると、今にも雨が降り出しそうな空をしていた。
この民宿にはもう泊まりたくなかったから、急いで出発の準備をして、自転車で酒蔵のある工場まで自転車を走らせた!
途中、『与那国空港』に立ち寄り、『石垣行き』の時刻表をもらって表に出ると、雨が横殴りに降ってきた。
工場までは直ぐそこだから、自転車を飛ばして行って、事務所で親方が来るのを待っていた・・・入波平の親方が工場に来たので、思い切って話を切り出してみた
『今日、石垣に飛行機で帰って、車をフェリーに積んで明日帰って来ますから、ここで働かせて下さい!』と・・・。
親方は、あっさりと『いいんじゃないの!』って言ってくれた。
俺はスッカリこの島に居着く気持ちになっていた。
11時55分発の石垣島行きの飛行機に跳び乗って・・・25分後には、石垣に着いていた(この旅始まって以来の飛行機旅行だ!)

飛行時間はたったの25分だったけど、空から見る石垣の海は素晴らしかったです。
与那国の飛行場の滑走路は2000メートルに拡張され、ジェット機が降りれるようにして観光客をもっと呼ぼうと島をあげて取り組んでいます!
(皆さんも一度与那国島に遊びに行って下さい)。

飛行機は与那国の滑走路を飛び立つと、1回転して、与那国の島の景色を眺めさせてくれます!(本当は高度を上げるためなんだけどね)
石垣に着くと、知念さんの事務所にお礼を言いに行った。
いまからする事は・・・・これから島で生活する為の買出しをしなきゃいけない!って事だ・・・与那国島は食料も、物資も無いし、高いからね!(石垣も高いんだけどね)。
その前に、船着場に行って、明日のキップを買っておかなきゃ!
・・・だって船が満席になっちゃうと車を乗せられなくなって、次の便まで待たなきゃいけないもんね。
切符を買ったら、空港の近くで買い出しだ〜!
『100円ショップ』や『マックス・バリュー』・『ホームセンター』で買い物をしてたら、与那国のテルミ姉さんから『新しい工場の掃除道具を買ってきて欲しい!』って電話が掛かってきたよ!
家事の道具はお店に沢山ある・・・・何を買ったらいいのか分かんないんだわ
ケイタイで話をしながら選んで買いました!
夜は久しぶりに『焼き肉バイキング』を食べてお腹いっぱい・・・眠たくなった!
そりゃそうだよなあ、民宿アダンのオヤジの島歌で寝てないんだもの!
今日はマックス・バリューの駐車場で就寝!おやすみなさい。

12月14日 与那国物語(5)

朝から、アルバイトのヒトが覇気が無いのが気になる・・・
ちょっと様子が変だ・・・と気が付き始めていたのが、このときかなあ〜!
アルバイトのヒトが帰った後、テルミ姉さんも心の中にあった事をワタシに言い始めたから・・・・『これは根が深い問題なのかもしれない!』と思った。
仕事が終わって、親方の家に呼ばれて、晩御飯をご馳走になってる時に、親方もアルバイト達が思うように動いてくれない事を嘆いていた。
かなり深刻な問題だった・・・。
アルバイト達と、親方一家とで・対立が起きていて、その不満がここで一気に爆発してしまったみたいだった。
 この島にはコンビニは無い!企業もサトウキビを生産するJAと民宿・ダイビングショップくらいで、公共機関は石垣島にしか無い・・・・。
 そんな与那国島泡盛を造っていても、島での売り上げは、たかがしれている。
沖縄本渡や全国に与那国のお酒を知ってもらって、今以上に売り上げを伸ばしたい!
というのが・・・親方の考えだった。
 島の産業として確立できれば、『雇用の確保』と『安定した収入』が得れるようになる。
その為に、島の人間を動員して、自ら設計を行い、新工場を建設してきた。
もうすぐオープンするというのに・・・イザコザが絶えない。
この新工場建設で、借金を背負ってしまった親方は、『親方』から『経営者』になってしまい、責任を一手に背負った重圧から・・・・オープンに間に合わないイライラをアルバイトにぶつけてしまっているみたいだった。
これは全員の意見を聞いてみないと・・・ココロがバラバラになりかねない!
誰が正しい・・・って問題じゃあないように思うんだ。
何か俺に出来る事があればいいんだけど。今日も民宿『亜壇』で就寝。お休みなさい。

12月14日 与那国物語(4)

今度はドラマで使われていた、『Dr、コトー診療所』に行ってみた。
今の診療所は町役場に移ってしまっているから、ここは撮影の為だけに使われていました。

北海道の『北の国から』とは違って、建物の中を観る事が出来ないのがとっても残念で仕方がなかった!って思っていたら・・・・後ろの勝手口が開いてたんだ!

勝手に入ってみると、他の観光客のヒトも入っていて、写真をバンバン撮って、えらいにぎわっている・・・(現在は、入館料を払うようになってます)。

港に帰ってきて、『日本最西端』の灯台に来た途端に、横殴りの雨が叩きつけてきた。
車から出ることが出来ないくらい激しい雨なんだけど、これがこの島では当たり前なんだ。

時計を見たら、まだ15時!たった3時間で島を1周してしまった!
17時半に親方を迎えに工場に行けばいいから、まだまだ時間はある!

結構走ったから、ガソリンスタンド給油する事にした・・・・
はじめての経験・その4
給油を終え、満タンになった所で、お金を払おうとポケットを探した時・・・財布が何処にも見付からない!ヤバイ・・・やっちまった。

この旅始まって以来というか、今までやった事の無い事を、日本で1番西の島でやってしまった・・・・

ガソリンスタンドのオバちゃんとは、面識が全く無いワタシは焦ってしまった!
慌てて、『入波平の親方にお世話になっている』という事と『民宿アダンに泊まっている』事を伝えたら・・・、オバチャンは『後でいいから!』って言ってくれた。

ワタシは『お世話になってる人には極力迷惑をかけたくなかったのに・・・』ってかなりへこんでしまった。
財布は落としたと思ってたんだけど、民宿のベッドの横に落ちていました。

俺は急いでガソリンスタンドに戻って・・・御免なさい!と言ってお金を渡しました。
これが日本本土だったらそんなに気にならないかもしれないけど・・・ここは台湾に近い離島なんだ!
もしここの住人に嫌われてしまったら、この島から出る事ができないのではないか?という不安が一気に襲ってきたのかもしれない!(ルールも日本とは違うこの島でオレは慌てふためいてしまった・・・)。

お詫びに・・・借りた軽トラックを・お掃除する事にしました。
公衆便所の洗面所で1時間くらい掛かったかな?かなりいい運動になったよ!

そろそろ工場に帰らなきゃ、ヤギのエサを取りに行く時間だ!
工場に帰るとテルミ姉さんが、『手が空いてるんだったら、手伝ってくれないかねえ?』って・・・。
何か手伝いたいって思ってたから、喜んでお手伝いをさせて頂きました。

するとね・・・俺を工場に連れて行ってくれたお兄ちゃんが事務所に入ってきた!

テルミ姉さんに向かって『今月の給料なんだけど、30分残業したお金が入ってないんだ!俺は自分で日報を付けてるから照らし合わせてみたんだけど、入ってなかったんだ!他の奴らも残業代が削られてる!って言ってるから、聞いてやってくんない?』ってワタシが目の前にいるのに・・・姉さんを捕まえて抗議し始めたんだ!
  ドラマだ・・・・

12月14日 与那国物語(3)

平成18年12月14日、木曜日、あめ・・そして突風

よく寝れたねえ〜!
あさ8時半に『入波平酒造』第1・工場に行ってみたんだ!
アルバイトで働いている20台の若者・5人が続々と出勤してきて、泡盛のビンにラベルを貼って、お客さんの所に出荷している。
なんだか邪魔してるみたい・・・申し訳ないので、新工場まで歩いていこうと思ったんだけど、お兄ちゃんがトラックに乗せてくれて、新工場に連れて行ってくれた。
今日は親方が『軽トラックを貸してくれる!』っていうから、それを借りて与那国島の観光をしようと思ってるんだ!
トラックを借りる時にテルミ姉さんから注意をうけた!それはショッキングな事だった。
はじめての体験・その3・・・『この軽四トラックは・車検が何年も前から切れてるから、絶対に事故だけはしないでね!』という???(海の向こうが台湾という治外法権だからできることなのか?ここは日本ではないのか?マダマダ知らないことが出てきそうな島のような気がしてきた)。
お昼前に、車検切れのトラックを借りて、時計回りに島を走ってみた!
『東崎展望台』に近付くと、道路の至る所にウンコが出現してきた!
まるで『宮崎の都井岬』か『30年前の福山の競馬場近辺』のようだった。

この島の半分は『公園の中』に一般道路が走っている。
だから、牛や馬が平気で道路に横たわっていたりする・・・・さすが与那国。

展望台の駐車場には車も人も居ないんだけど、駐車場や通路に角を生やした牛達がわんさか・たむろしていて、人間が近付くと・・・いっせいにこっちを睨むんだ!
突進されたらひとたまりも無いから、引揚げることにしました・・・・。
南国特有のスコール(横殴りの雨)が降り始め・・・『立神岩』もパンフレットのようにキレイに写らなかった(この気性の荒い天気も与那国島の風景らしいと思う)!

12月13日 与那国物語(2)

入波平(親方)は、『これからペットのヤギのエサを取りに行くから一緒にいこうねえ!』って話しかけてきた。(そんな経験した事ありますか・・・?)
はじめての経験その1・・・軽トラックに乗せられ・・・・山の中に入ると、クルマが止まり・・・親方から1本のカマを渡された。
『荷台がイッパイになるまで、木の葉っぱを積もうねえ〜!』と笑顔で草を刈り取る親方の横で、めまいを感じながら灼熱の空の下で、山羊のエサを刈り取るワタシ・・・
そんで・・・ヤギのいる小屋に到着したんだけど、
はじめての経験その2・・・ここで初めて黒ブチのヤギを見たんだ!(見たことあるかい?)黒いヤギに白色の斑点があるのさ!
3匹のヤギは待ちきれなかったみたいで、葉っぱが投げ込まれると、かぶりついて食べていた・・・その食欲は果てしなく、トラックの荷台くらいの草は1日で食べてしまうそうだ。

その夜は入波平の親方の家で晩御飯をご馳走になった。
テルミ姉さんは、2年前に事故で筋を痛めていて・・・いまも右手を故障してギブスをはめ・医者から『動かしてはいけない!』って言われているのに、家族の為にその右手で御飯を造ってくれた。
テルミ姉さんの晩御飯は美味しくって有り難かった。
4人の子供を育て、犬やヤギを育てているこの家族はとっても温かかった。
長男さんが酒屋の後を継ぐ為に、那覇で勉強していると誇らしげに語っていた。
今日は久しぶりにベッドで寝る事ができる〜!
おやすみなさい。