一人旅の記憶

こんにちは!社長の井上です。
たくさんの人と出会い、お話をしていると、私の1年半に及ぶ旅の話しを、何かの形でまとめてみてはどうか?というご意見をたくさん頂戴いたしました。
 まるで、映画【男は辛いよ!】に出てくる、【ふうてんの寅じろう!】のような生活に興味をもったんだと思います。
 【その日の行動は、朝起きて考える!風の向くまま、気の向くまま!】そんな1年半に及ぶ旅の記憶を、ブログに書いてみようと思います。
仕事の内容とはかけ離れた内容になってしまいますが、想いのままにかいてみます。

自分の事なので、本当は読んで欲しくないのです・・・・。
だって、豪華な食事をするわけでもなく、夕食は17時以降にスーパーで、割引になった食材を狙って買ってたなんて、皆さんの旅の参考になんてならないし、貧乏旅行をマジでしているから、考えられない出来事や、失敗ばっかししてるんです。
 ちょっと考えればいいのに!!と非難が起きそうな事ばかりやっているので、恥ずかしいんです。あんましいじめないでくださいね。
 
 まず、この旅を語るには、切り離しては考えられない、私の相棒!の事について、お話しなければなりません。
 相棒の名前は【ステップくん!】です。
旅を始めるときに、必要なのが車です。まずは中古車センターに行って、60万円程度の車を探していたんですが、軽トラックではなかなか見付からなかったのです。
 思い切って、ワゴン車の安い車を探してみると、結構あるんですね!友達が、【雪国に行ったときには4輪駆動の車じゃないとダメ!】とか、【霧で前が見えなくなったときの為に、黄色いホグランプが付いたほうがいい!】とか、【燃費の良いエンジンにしたら!】とか、いろいろアドバイスをもらい、13年前に発売されたホンダの、【初代ステップワゴン】に的を絞ったんです。
 インターネットを食い入るように探し、東京八王子ナンバー!緑色をしたステップワゴンを福山に引っ張ってきてもらう話になりました。
 数日後、中古車センターから【届きましたよ!】と連絡が入り、友達と急いで見に行ったんですが、何処にも緑色をした車がないのです。
 店員さんに、【何処にあるんですか?】と聞いてみると、店員さんは頭をかきながら、【実は〜!え〜っと・・・あれです!】と指をさしたのです。
 その方向をみると、緑色ではなく、シルバー色の車が、デン!と居座っていたのです。
 目を疑いましたが、恐る恐る近寄って扉をあけると、結構新しくキレイだったのです。イロイロ見ていると、店員さんが、【あの〜!この車は、以前乗っていた人が、助手席にカウンターを付けちゃってるんです・・・。気に入らなければ撤去しますんで、すみません・・・・!】というので、助手席に目をやると、車検証を入れる場所に、可愛らしい白いカウンターがしっかりと固定してありました。既製品とは違って、結構考えて造ってあったので、弁当でも食べるのにちょうど良いかな?と気に入ってしまいました。
 友達は、ワタシが日本全国の旅に出掛ける事を、店員さんに伝え、中古車だから、タイヤを新品に取り替える事と、オイル関係を新品にして、ブレーキが壊れないように、取り替える事を詰め寄っていました。
 この時ワタシは、【自分の想った車とは違うものが来てしまった事には、何かしら意味があるんじゃないのかな?】と、感じていて、申し訳なさそうにしている店員さんに、【この車でいいですよ!これも何かの縁ですから!】と言って、他の県からやってきた、このステップくん!を買う事に決めたのです。
 買ったらすぐに内装を【旅使用!】に変えなければなりません。
後部座席を全て撤去してもらい、運転席と助手席だけ残し、後部座席に畳を敷く準備に取り掛かりました。
 大工工事はお手のもの!畳の下にも荷物が入る収納スペースを確保し、カラーボックスを可能な限り取り付けました。
【旅の間は、畳の上で寝たい!】という日本人らしい考え方は、どうしても譲れなかったのです。
だけど、畳屋さんは【車に畳を敷き詰めてくれ!】という申し出に、顔を歪めていました。
 なぜなら、畳は四角いのです!車のように曲線ばっかしのイビツな形には対応が出来ないのです。
 かくして、畳屋の倉庫にステップくん!を入れたまま、途方に暮れてしまいました。
 考えた捨末、本来は1枚で済む大きさを、3分割にする事で話はまとまりました。
 完成を待ちわびました。出来上がりの電話が入ると、飛んで行き、車に畳を敷き詰めると、イグサの心地よい匂いが部屋中に香ってきます。【良いもんだなあ〜!】と思っていると、畳屋の主人がこう言うんです!【タテ18センチ!横90センチ!のこの一番小さい畳が一番高くついたんだ!どんだけ苦労したか!だからこの畳に関しては1万8千円もらうよ!】。軽い脳震とうで、クラクラめまいがおそってきました。断ろうにも、もう出来上がってしまっているのです。
 畳屋の主人の顔を見ると、【2度とやんないからな!】と目が訴えていました。(どうもすみませんでした・・・・)。

 畳の準備ができたら、こんどはカーテンです!
これは友達から強く勧められたのです!寝る時には、街頭の光が本当に邪魔なのです。カーテンがあったからこそ、プライバシーが保てながら、熟睡ができた旅でした。
 これも、車を内装屋さんに持って行き、無理を言って、【後部座席の窓全部にカーテンを付けてください!】とお願いしました。
 カーテンもレールがまっすぐしかないので、相当苦労したようです。【カーテンも車が走るたびに、ユラユラと揺れないように、下の部分にもレールを取り付け、カーテンを上下で挟み込む方法が良いんじゃないの!】と、車に人だかりが出来る中で、試行錯誤がはじまりました。
 この時も、車のデコボコが問題となり、カーテンレールを全国から探して、車の揺れにも動じず、街頭の光を遮る、湾曲にも対応する!この世にたった1つのオーダーカーテンが、完成しました!
 カーテンの生地も1流メーカーの【サンゲツ】を選び、取り付けした姿は、ホレボレするものが出来上がりました。
 カーテンの余った生地で、枕を縫い上げてくれ!これプレゼント!これでゆっくり寝る事ができるね!と手渡され、感動が押し寄せてきました。
 作ってくれた担当者と熱い握手を交わし、見つめあい、【ありがとう!】とココロの中で叫んでいると、白い手紙が渡されました。
 なんだろう?と開けてみると【請求金額20万円!!】と書いてあります!
 感動も何処かへ吹っ飛び!ガッツ石松に殴られた衝撃が全身をおおい、ダウン寸前!! 遠くでレフリーの1・2・3・・・!のカウントが遠くで聞こえているようでした。
 ワタシは、ノックアウトされたようです!車って、本当にお金の掛かるのもなんですね!!
 ワタシの相棒!ステップ君のリフォームが終わり、これから旅が始まります。
こう!ご期待あれ・・・!