7月22日 ジーコの気持ち

・・・『ジーコの気持ち』・・・
7月22日、土曜日、曇り

昨日の夜は良く雨が降ったなあ!九州や長野は土砂災害を受けているみたいだねえ。
昨日、たまたまテレビを見ていたら、サッカーの全日本監督だったジーコの日本での出来事をやっていた。
世界の人が憧れるサッカー選手のジーコ
母国ブラジルでは大臣にまでなった英雄が日本の鹿島アントラーズというチームに何故?来る事になったのかねえ?ブラジルでは、なに不自由なく生活を送っていたのにさ!
日本に来た当日の映像が写っていた。グラウンドで顔合わせをすると、直ぐに練習を始めたジーコ!(そのジーコの顔と選手の顔は全く違っていた)
スーパースターの技術の高さを目の前で見ている観客のように振舞う日本選手と、その余りにもレベルの低さに顔がユガミ、どうしていいのか分からないジーコの顔が映し出されていた。

通訳の人によると、ジーコは練習から帰る車の中で、ハンドルをチカラ強く握り締め、いつも絶望の底に突き落とされていた!という。『どうしてだ?何故こんな簡単な事も出来ないんだ?いったいこのチームをどうすればいいのか分からない?』と毎日うなされていた天才ジーコは凡人の考えが理解できないでいたんだ。

だけども強い精神力で、その日のうちに気持ちを切り替えて、次の日には闘志を燃やして、グラウンドに向かう日々を送っていたそうだ!
歯がゆかったと思う!自分がやれば、簡単に出来てしまう事を、1人として出来るやつがいない日本の選手達!説明しても出来ないのだから、イメージが伝わらない!何を言っても無駄!のような気がしてくる。天才の辛い所だ。
その中でJリーグが始まった。この鹿島の初戦でジーコハットトリックをブチかますセンセーショナルなデビューを果たしたんだ。
この事が全世界に知れ渡り、『ジーコはブラジルにいるんじゃあないの?日本?何処それ?ジーコは日本に何故いるの?日本のサッカーってそんなに凄いのか?』と日本のサッカーが世界に注目されるようになったんだ。
この日のジーコのおかげで日本のサッカーが発展していった事は間違いない。
そのジーコがワールドカップの為に4年間、日本の監督を務めた。
この4年間もジーコはずっと耐え続けていたという。カッコばかりで上達しない選手達!今の日本人そのままに、自立心がなく組織に埋もれる選手達、全くヒーローが産まれない状態に苛立ちは募っていっただろう!
ジーコが目指すチームというのは、『ヒーローを慕う選手を中心に、ヒーローに追いつこうと努力する選手達、信頼感を絶対条件として、戦うチーム』だったんだ!だけどもジーコが期待していたヒーローは4年の間に現われなかった!
現実の日本のチームは、『自分の考えだけで動こうとする集団』だったんだ!
力の差は歴然として結果として現われてしまった。
ワールドカップでのクロアチア戦で、日本選手はゴールに何本もシュートを放つが1本も決める事が出来なかった。この時ジーコは悔しくてたまらなかっただろう!『この俺が出てゆきたい!』っと心の中で叫び!自分だったら簡単に入れてしまうボールを、『ワザとはずしているように見える』日本の選手達に苛立ちを覚えたことだろう!
次のブラジル戦では日本が先制の1点を入れるのだが、前半のロスとタイムの時に、まさかのゴールをブラジルに入れられてしまう。ロッカールームでは、ブラジル側は大喜びで勢いに乗っていたが、日本は全員が下を向き、『どうしよう?どうしよう?何とかしなきゃ!』っと焦る選手達で最悪の状態だった!
その中でジーコは悔しさを吐き出しそうなったんだって!『バカヤロ〜!何やってんだ!あんな時に気を抜いて!なってしまったものはしょうがないじゃあないか!この悔しさを後半にぶつけようって、誰も言わないのか!』って言いたかったんじゃあないかなあ?
だけどその怒りを途中で止めてジーコは『しょうがない!』と言ったんだって。
みんなも同じ気持ちなんだし、ここで言ってもプラスにはならないから!という状況に本心を押さえたんだ。選手には次のワールドカップがあるが、ジーコは全責任を取らなければならない立場にある!そりゃあ叫びたいよね。泣きたいよね。『後半俺を出せ!』っていいたかっただろうね。
後半は勢いに乗ったブラジルに3点を入れられて、日本の選手は『勝てっこない』と負けを確信したみたいだった!
ボールに対して追いかける気持ちをなくしたグラウンドはひどいものだった。
ブラジルは攻撃を止めて、ボールを味方同士で回し始めたのだ。
日本選手はそのボールを取りに行こうともしない。ブラジルのボール回しは46回に及び、日本選手は一回もボールに触れないでいた。その光景を見ていたジーコはどんな気持ちだっただろう?祖国ブラジルのヒーローだった自分が、ブラジルにいいようにもてあそばれて負けている。しかもこの試合で日本はワールドカップの本線に出場できない事が確実になる試合だ。おまけにジーコは全責任を取って辞任しなければいけない。
そんな試合で自分の選手にボールを追う気持ちが無く、相手にいいように遊ばれている!そんな姿を遠くから見る事しかできないのだ!『何故最後まで走らない?何故諦める?世界が見てるんだ!それでいいのか?日本の子供たちにそんな姿を見せていいのか?』ジーコの胸の中に想像も出来ない感情が全身を駆け巡っていたに違いない。
後で中田ひでとしが語っていたんだが、中田もジーコの気持ちが分からなかった?と言ってるし、中田も他の選手に受け入れられていなかった!と言っている。
小さな島国で世界を知らずにいる小さな心には、沢山の事を見てきた偉大な人の言葉は届かないのだろうか?この集団も人を思う『思いやり』の気持ちが欠落していたんだろう。
そんな大変な事があったのにも関わらず、ヒーロー・ジーコは、辞任した後の会見で、『日本の人にしてもらった愛情に感謝します私の祖国はブラジルと日本です。ありがとう日本!』と言っている。こんな事が言える選手がいるだろうか?
中田ひでとしさえ、『誰にも分かってもらえず、うるさい人だと選手におもわれていたのが悔しい。もう日本に居場所が無い!』と言い、引退していった。
ジーコの心の強さは一体何処から来るのだろう?今一度考えたいものだ。