もんた&ブラザーズは箕面の滝?

10年まえ、建設会社の寮として5年間住んでいた大阪『箕面の駅前』に行きたくなったんだ・・・
懐かしさを期待してたんだけど、全く景色が変わってしまってて、いま立っているこの場所が!何処なのか全然分からなかったんだ。
あんなに【田んぼ】があったのに、都会になってしまった駅前通りは建物が建ち並んでしまい、狭い町には土地がないから、上へ上へ伸びていった高層ビルに囲まれてしまっった・・・
新しい店舗ばかりが目立って、ギスギスした街へと変貌しちゃってた・・・・
もう想い出すことが出来ないくらい変わってしまった箕面の街に寂しささえ感じてしまって・・・もうどうでもよくなっちゃった。
大阪で働いている時に、日本一大きな設計事務所が図面を書いて、俺が監督ととして建てたビルも箕面にあるんだよ!!
だけど、当時入っていた店舗も入れ替わってしまって、外壁にはコケが生えてるし・・・『見るんじゃあなかった』って哀しくなった。
自分が手掛けた建物が、落ちぶれているのを見ると、自分も落ちぶれた気持ちになって寂しくなるんだ。
気を取り直して・・!
寮生活の休日!!おなかが減った時に、よく通っていた『串の坊』も閉店しててさ、『餃子の王将』も(大阪の大将)に名前が変わっちゃってた・・・!(時代の流れは恐ろしいなあ)
久しぶりに王将の扉を開けて店の中に入ってみたんだけど、そこには、あのおじさんはいなかった・・・・
ぶっきらぼうで、会話などしない人だったけど、黙々とと鍋をふる!その後ろ姿が好きだったんだ。
会社の同僚だった中国人も、『ここの餃子は手作りで美味しいアルヨ!』と絶賛してたのに・・・。(非常に残念だなあ〜!)
当たり前なんだけどさあ、店の中はピカピカに改装されていて昔の面影はなくなってた。カウンターに座って、ふと見上げてみると、『換気扇の位置・鍋の位置・水道の蛇口の位置』が10年前と変わっていなかった!
そんな所を見付けて嬉しくなってさあ、厨房を眺めて独りでニヤついてた。
いま目の前で鍋を振っているのは20代のアンチャンでねえ〜!昔の味にはほど遠くてガッカリしちゃったよ。(しょうがないんだけどねえ!)
それよりさあ、料金が値上げしていたのは許せなかった!『おい!この野郎!よくこんなもんで昔より高い金を取ってやがるなあ!おじさんの所に行って修行をしてきやがれ!』って思ったよ。
そろそろ今日の宿泊場所を見つけなきゃいけないのに、この都会ってやつは、野宿をさせてくれるスペースが何処にも見当たらない・・・!どうなってやがるんだ!!まったく・・・。(余分とか余裕とかがないんだなあ)

朝!目を覚ますと、朝からごきげんなんだ。
念願の『箕面の滝』に行ける事で心が躍る!知らなかったんだけど、この箕面の街に、大型のショッピングモールが出来ていて、映画館までもがオープンしていたのには驚いちゃった。すごい発展だ!
ショッピングモールを抜けて、箕面の山に行ったのに・・・サルがいないじゃない?
『まだご飯の時間じゃあなかったのかなあ?』残念!
駐車場に車を置いて、滝まで少し歩くんだけどさあ、山々に囲まれた中に『滝の音だけが響きわたる』のは都会では味わえないよねえ。
若葉が美しく、森の中に吸い込まれるような、感じかなあ〜?
滝の前では幼稚園児が、遠足に来ていて、はしゃぎまわってるよ。
遠くから見ると赤と白の帽子がほたるの様に見えて、川辺を右へ左へと舞い踊っているように見えるんだ。(この箕面の滝は、遊歩道もあって、阪急箕面駅から自転車や徒歩で登ってくることもできるから散歩がてらに歩いてくる人も結構いるんだよ!) 
かつて俺も大阪で、病気を患った時にリハビリを兼ねて、よくこの滝まで往復2時間かけて歩いてたんだもの。
今日も自転車に乗って来ている人達が来ていたよ・・・!
一人は外国人で、その外人を案内している日本人はなんとなく『もんた&ブラザーズ』のもんたさんに見えるんだ!
もんたさんは『やっとここまで来た』と言わんばかりに背伸びをして身体をほぐす格好をしながら、滝を見てる・・・(ぜったい合ってると思うんだけどなあ?)
かなり滝のイオンパワーをもらった俺は箕面にサヨナラをいって、次なる都会に繰り出すのであった・・・・。

腹が減ったなあ〜!
10年前に大阪の立売堀で働いていた時、昼ご飯を食べていた場所に行ってみたくなっちゃった。
何軒かお気に入りがあったんだけど、いまは『ちゃんこ若貴』で塩味ベースのちゃんこが暑い夏に最高に美味いのである!
そうと決まれば直行よ!と気持ちだけは急ぐんだけどさすが大阪!道がさっぱり分からない・・・・。
真っ直ぐ進むのなら良いんだけれど、この大阪の6車線、曲がりたいと思ったら、端っこの側道を走らなければ曲がる事ができないなんて、福山じゃあ考えられないのよねえ(地獄のロードなのだ!)
この街中で車を駐車するのも本当に大変なんだから。
本当に運良く1箇所だけ道路際に駐車スペースを見つけたからさあ大変!迷っているヒマなんてない!どりゃあ〜突っ込めえ!
なんじゃ〜!後ろの奴が!クラクション鳴らして、どかんかい!って言ってる!・・・うるさいんじゃ〜!だまっとれ!入れた者が強いんじゃあ!とココロの中で呟いて、なんとか駐車ができたのさ。
10年ぶりに、会社の前を少し散歩してみた。
結構そのままの店舗でがんばっている店が多くて、このまま行くとお目当ての『ちゃんこ若貴』もあるのでは!!っと期待しちゃうゾ!
うる覚えの足で歩いて角を曲がると、あったではないか!『2階へ』という看板と共に『ちゃんこ若貴』が!!(うれしくなって写真を撮っちまった。二階に急げえ〜!)
店に入るとなんとも懐かしいコンロ台がカウンターの前に席の分だけ置いてあってさ、大将が『ちゃんこ定食でいい?』と関西人独特の軽いお喋りに。『は〜い、お願いします』と返事をしてから、鍋が煮込むまでしばし休憩・・・!(煮込むまで、けっこう時間がかかるからね!)
お茶を飲み終わった頃に、色とりどりに盛り付けられた鍋が、湯気をあげながらコンロ台に置かれた!
さあ・・・!思う存分食べてもいいのだ!ワクワクしてくる。
大将が『お兄ちゃんここへは来た事あるの?』と話しかけてくれた。
それはそうだと思うよ。ビジネス街のど真ん中のお昼時には、スーツ姿のビジネスマンばっかしなのに、普段着の茶髪の兄ちゃんが入って来れば、(なんだか変だぞ?)って思うよねえ!
俺は・・・『10年ぶりにこの店に来たんです』と返事したら、大将は『へえ〜!次ぎ来た時には無くなってるかもしんないから、しっかり食べていきな!』ってイキな言葉が返ってきた。
話し上手な大将にのせられて、この旅のいきさつを話し始めてしまった!『大将はたぶん、今晩店に来るお客に俺の事を面白おかしく話すんだろうな〜!』
しかしまあ、俺は昔こんなにボリュームのある鍋をたいらげていたのだろうか?とビックリするくらいの量があったよ。
ラストには、ラーメンの玉、1玉を鍋に入れて最後の締めにするのがここのやり方なんだけどさあ、もう、お腹はいっぱい!パンパンなのだ!
だけどさあ〜!また今度食べようって来れる所じゃあ無いし、大将も『ラーメンの替え玉を食べるかい?』って聞くもんだから、よし!と思って食べてみた・・・!もうこれでノックアウト!水も入りませんよ〜!大将ごちそうさまでした。

重いお腹をゆすって、お昼からは一度行ってみたいと思っていた『通天閣』に行ってみたんだ。(この時、折りたたみのチャリが大活躍してくれたんだ)
JR天王寺駅に着くと、まあ平日の昼間から働く事を放棄した、じいさん達が交番の周りで将棋をさしているのよ。
ギャラリーもワンサカ集まって観戦しているこの光景には、正直びっくりしたねえ〜!というか、ドンビキするよ。
なんだかおっさん達にはハツラツとした雰囲気がなかったのが寂しかった・・・・
そのおじさん達の横を通りすぎて、天王寺と公園の景色を眺めながら走ると、来ました『ジャンジャン横丁』(うわあ〜人間くさい街じゃのう!)
ヨレヨレに酔っぱらったオッサンや、道路にうずくまった婆さん。
女装して乳母車を押す70代のジイサンは、右手をじゃんけんの(グー)から(パアー)にする仕草をしながら、『ボォ〜ン!』『ボォ〜ン!』と叫びながらアーケードの中を歩いてんの。
いったいなんなの・・・・?
かるいカルチャーショックを感じていたら、立飲みや店の中を覗くと、30代の兄ちゃんが顔をシワクチャにしながら酔っぱらった勢いで演歌を熱唱してるんよ。
そこらじゅうで、オッサン達が、壁にもたれて片手で支えてるんだ。
その姿は、猿回しのサルが『反省のポーズ』をしている姿、そのままなんだよ〜。もうビックリよ!
信号待ちしていると、見たこともない髪の色をして、素顔がどんなんか見当もつかないくらい化粧を塗りたくった威勢のいいおばちゃんが俺の横を、風のように通り過ぎていく・・・・
ここは昼間なのに立ち飲み屋が、土曜日の夜中のように、賑わってる不思議な街だった。
福山の商店街より小さい通りなのに、商店街の休日以上に人であふれてるこの街に、圧倒されてヘロヘロになっちゃった!
店を出て、さて・・・!『通天閣』に行かなきゃねえ〜。
ここには似合わない背広を着たおっさんに『入場料いくらですか?』と聞いてみたら『600円ですわ!』って言うんだ。
俺が(自転車はどうしたらいいですか?)という質問には『そこら辺にほっておいたらよろしゅうおますわ!』ってなナイスな返事が返ってくる。
ちょうど観光バスが通天閣に到着したから!ジッーっとみてた・・・!すると、バスは思いっきり歩道に突っ込んできて、当たり前のように道路交通法を全く無視して歩道に駐車したんだ!
ほんと!やりたい放題のこの街!だけどさあ『ここに住みたい』ってそう思っちゃった。感想として『通天閣』は夜に上るのがいいと思う。(大阪の町が360度、大パノラマで見れるからね!)
愛する人とロマンチックなひと時を『ビリケンサン』の前で過ごして欲しい。
その『ビリケンサン』と同じツルッパゲのヤクザチックなおっさん達がビリケンサンをバックに写真を撮っている姿がおかしくってねえ!
真剣に、カメラを縦にしたり横にしたりして【よろしいか〜!ほな!いきまっせ〜!】って撮ってんの!笑っちゃった。
本当の人間らしい生々しい生活がここにはあるから、ビジネスマンの疲れた人は一度ここに行ってみたらいいのに・・・!