見たこともない景色の乗鞍岳!

6月14日、木曜日、晴れ、15キロ

朝から縁起がいい!『道の駅・奥飛騨温泉郷、上宝』で、犬が6時30分に吠えて、
起こしてくれたんだ!(ラッキー!)

上を見上げると、空は雲ひとつない晴天で、昨日よりもいい天気だ!(バスターミナルのおじさん、ありがとう!)

すぐに準備をして、『平湯バスターミナル』に急いで駆けつけた。
7時45分に出発するバスに飛び乗り、『朴の木バスターミナル』を経由して、いざ!
乗鞍岳』!ここは一般車両が入れないように規制がしてあるから気をつけてくださいな!
バスで山の中を走っていると、あちこちに雪が残ってる・・・・(今は6月中旬だぞ?)
なんで雪があるのかな?っていうのは俺たち瀬戸内海の人間が想うことで、こちらでは7月でも山頂付近は雪が舞うことがあるんだって!(すげえよなあ!)

バスに乗ってる人の中には、スノーボーダーが3人も乗り込んでるんだ!
女の子まで『滑る気マンマン』の格好をしているから、結構盛んに山スキーが行われているんだね!

バスは終点の『畳平』に到着した。
バスをおりて、さあ!これから登山が始まるよ!

ここにも宿泊施設がいくつかあって、朝日の『ご来光』を見るために、ここに宿泊する人が、沢山いるんだって!今日なんか最高なんじゃあないかなあ?
 
いちばん最初から、雪道になってる・・・・・!
信じれんよなあ!こんな事なら、コンバースのスニーカーじゃあなくって、登山靴を
買ってきたのに・・・・・・

『この山を登る人はぜひ登山靴で歩いて欲しい』何でかって言うとね、岩が多いから、普通のスニーカーだと足をネンザしちゃうんだ!
俺も下山している時に、『よくスニーカーで登りましたね!』って言われたもん!
まずは富士山が見えるかもしれない?って言う『富士見岳』に登ってみた。
岩場ばっかしのこの山は、足をとられて、なかなか山頂まで行く事ができないゾ・・・・
心臓が破裂しそうだ!この『富士見岳』からは残念ながら富士山は雲に隠れて見る事ができなかった!(1本早いバスに乗ってきた人は富士山が見れたよ!って言ってた)

山は本当に難しい!晴れているから、他の景色は最高なんだけどねえ!
ここで2人の登山マニアのお姉さんと出会う事になったんだ!(インターネットで知り合ったのよ!っていう、このお姉さん達は、毎週のように山に出かけているらしい)

なんと、この日の登山で、二人で登る『50回登山』の記念日なんだって!
もう格好からして本格的なのだ!俺の2倍以上あるリュックを背負って、防寒着も装備して完璧さ!
そんな2人は、自分たちのスローなペースで、ふたり別々に登っていくんだ。(これはとっても参考になった)

職人と同じように・・・・、若い職人は力の配分も分からないから、朝のうちに体力を使い果たして、午後からバテテしまって使い物にならないけれど、
年寄は、のっそり、のっそりしてるんだけど、1日中、同じペースで仕事を続けるんだ。なんだかそれに似ている気がした。

お姉さんは『ゆっくり楽しんで山を登るといいよ!』って教えてくれたから、山登りがとっても楽しくなってきた。

お姉さんは、これからの季節『霧が峰』や『入傘岳』・『八ヶ岳』に行くといい!!
って教えてくれた。(全部の山を登ったら、山男になっちゃうよ!)

山に入るときは、くれぐれもカッパか防寒服を持って行く事を忘れないで欲しいんだ!
山の天気は、雲によってすぐに変わっちゃうから、一気に気温が下がっちゃって、動けなくなる素人さんが軸出するんだって。

今日は運良く、最後まで晴天だったんだけど、いったん雲におおわれちゃったら、
乗鞍岳は、気温が一気に下がって、スキーに行く時の格好くらいしないと寒い!って事がしょっちゅう起こるんだ!!ってお姉さんたちがアドバイスしてくれたモノ・・・(今日も長袖を着込んでいたんだけど、山頂に行ったら、もう1枚着たくらいだからね)。

ここまでの道はノブリンのパジェロなら来れるくらいの悪路なんだけど『肩の小屋』
からは道なんてないんだ!
ロープが目印のように張ってあるだけで、岩をよけながら、一歩一歩、確かめながら
登るしか、道は用意されてないんだ!

これがけっこう大変で・・・・、足元がずれるんだよなあ!
途中、雪がつもったまま解けてなくって、道がどこにあるんだか?さっぱり分からなくなってる所がいくつか出てきた!

いったい、どうするんだろう?って思ってたら、早朝のご来光を見るために、歩いていった人の足跡が残っていて・・・・!その跡をみんなが踏んで、登っていってたんだ。

『足跡の大きさしかみちがないんだよ!』もしこれを踏み外したら、数百メートル下
まで転がり落ちていってしまうんだ。下を見るだけで、恐い!(よくみんな平気で登ってるよなあ!お年寄りもチャレンジしてる)。

後で話を聞いてみると、登山家なんだって!長年、山を登っている人の事を『山中毒』っていうみたい。略して『ヤマチュウ』。

やれやれ『朝日岳』まで登ってきたぞ!山頂まではあと少しだ!
右手には雪におおわれた『権現池』が大きな口を開けてまっている。(阿蘇山の火口みたいだ!)
その向こうには『白山』が雲の上に雪化粧をしてそびえている!(俺はこの山が凄く
好きになってしまったんだ!)
男らしいというか、自己主張をはっきりとした山のように感じて、『いいなあ〜お前は』って思いながら、ボケ〜っと見つめてた。

一人のお姉さんは、もう山頂に登ってしまってた。
しかし、もう一人のお姉さんは遥か後ろで、写真を撮りながらゆっくり山を楽しんで
登ってる。

最後の厳しい岩肌を登りきり、『乗鞍岳』の山頂『剣ヶ峰3026メートル』に立った!
サイイコーに気持ちいい〜!
360度の大パノラマだ!

あんなに大きく見えていた山々も、今は小さく見えている。
さっきのスノーボーダーもここに登っていた。ここからどのコースを滑るか、
確認するためなんだって。(山頂に登ると達成感からか、みんな仲良くなって会話が弾むね)

お姉さん達は、リュックから、『みかんやオレンジ・コンニャク畑のゼリーやトマト』を取り出して、エネルギー補給をしている。(これはとっても大事なことなので、みんなも補助食品を持っていったほうがいい)

お姉さんは、その食料を俺に分けてくれたんだ!『見ず知らずの人間に、なんて暖かいほどこしをしてくれるんだろう』(ありがたくいただきました!!ごちそう様でした)。

おねえさん達は、主婦であり、今日の2時に起きて、洗濯や、ご飯の支度をして、
ここまで来たんだって!すごいよねえ!それを毎週してるんだから、山は人を引きつけるチカラがあるんだろう!

下界を覗くと、またもや『修学旅行』の御一行様が集団で登ってきているではないか!
中国人と修学旅行は、どこにでもゴキブリのように、湧いてでてくるんだろうか?

さっき通った雪道は、足跡が一つしかなかったから、修学旅行の生徒が全部上がってくるまで、降りる事は出来ないみたいだ。(やれやれ!)

乗鞍岳の山頂はすごく気に入ってしまって、なかなか離れる事ができない!(景色を眺めていて、全く飽きないからね・・・・!)風が出てきて、寒くなってきたぞ!

この風は、2月後半のスキー場で感じる、寒くて乾いた風だ!(これで雲におおわれたらどうなるんだろう?)ゾッとしてしまう。

スノーボーダーの人達はコースを決めたみたいで、さっそうと雪の中に消えていった。
さあ!俺も降りようか!修学旅行の先頭がすぐそこまで登ってきている。

下山はかなり足にこたえる。
コンバースは底が薄いから、足袋のように地面を的確に足に伝えるから、痛くてたまんない・・・(クッションの役目が全くない!)と言ったほうが分かりやすいんかなあ?

斜面が急な分、足で地面を踏ん張ろうとするんだけれど、地面が雪崩れのようにズリ
ズリと下に滑っていく。慣れないと、かなり体力を消耗してしまう。

登ってくる時には、ハッキリと見えていた山々が、ガスがかかって、見えなくなって
きちゃっている。(本当に早起きして、よかった)
ゲッチだと、お昼からの出発になってしまいかねないからなあ!
山って1歩、歩くだけで周りの景色が変って見えるから、楽しいね!
同じ山を見ていても、場所が違えば感想も違ってくる。

だって、カメラを撮っている場所が人によって、全然違うんだもの!(個性がかなり出るよね!)
バス乗り場に降りたのが、12時20分だ。少し時間があるから、食堂で山菜ソバを
食べる事にしよう。

その時にお世話になったお姉さん方にお礼のジュースを買って渡したくなっちゃった。
(気持ちの問題だもんね!)気持ちよく過ごせた、お礼が何かしたかったんだ!

バスに揺られて『乗鞍岳』を降りて、お姉さんとも・お別れをした。
お姉さんは山岳のホームページをもっているんだって。『ぼちぼち歩く山歩記』で検索すれば、お姉さんの山歩きの記録が見れるよ。
もしかしたら、俺がそのホームページに載ってるかもしんないよ!(当時、実際載ってました)

『平湯バスターミナル』に着いた足で、そのまま『上高地』のバスに乗換えをした。
今日は『河童橋から明神池』に登っていくルートを歩いてみようと思っちゃった。
『みなさん、このルートはおやめなさい!』時間が余っていく所がない!って
いう人だけが行けばいいと思う。
もし、どうしても行くのならば、河童橋を渡って、川の左側を歩いていく方がオススメ!
林の中にゆるい川が流れていて、魚や、立ち木の景色や、サルのウンコが出迎えをしてくれるだろう。明神池も300円払わないと見る事ができないから、着いた瞬間に、ガックシしてしまう!
そんな中・・・・・、最終のバスが上高地を17時に出発してしまう!
間に合わなければ、きょうは・このバス停に野宿するはめになっちゃうんだ。
こんな事なら、河童橋周辺をアイスでも食べながら、ゆっくりお姉ちゃんウオッチングをしとけばよかった。俺の2時間半を返せ〜!

足が棒になってるのを、必死に動かして、どうにか15分前にバスターミナルに着くことができた・・・・ヤレヤレ、『平湯』まで帰れそうだ!

さっき、上高地行きのバスに乗るときに、山登りのステッキを忘れてしまっていた。
都会なら、完全に紛失しているだろう。
だけど、この平湯ではそんな人はいないのだ。
連絡をしてもらったら、ターミナルの駅員さんが、預かってくれて、バス停に保管しておいてくれてるみたいだ。(本当にありがたい!)
今まで連れ添ってきたステッキに、もう一度会うことができる嬉しさは、何と言ったらいいんだろう・・・・・

今日も平湯温泉『平湯の森』で湯船につかり、1日の疲れを洗い流してもらう。
ついでに晩御飯も、昨日食べた食堂でいただいた。
お姉さんも憶えていてくれて、きのうは焼肉でしたけど、何にしましょうか?ってきかれると、なんだかヒトの優しさに、胸の奥がジ〜ンっと・・・
空腹も手伝って『山掛けソバと、カルビ丼』っていってしまった。
本日・3回目のソバと、昨日と同じ肉料理!なんとも体が酸性になる食事だ!
早くこの街から出なくては!魚を食べなきゃ、チョットやばいかも!
今日も『道の駅・奥飛騨温泉郷、上宝』に泊まる。おやすみなさい。