7月2日 とうとう出会った美輪明宏さん!

7月2日、日曜日、雨
今日は昨日借りたビデオを返しに行かなきゃいけないなあ!お昼時だったんだけど、
ラーメンは食べ飽きちゃったみたい。スーパーで惣菜を買って食べることにした!
なんだか今日は時間が過ぎるのが早く感じる。
何といっても念願の美輪明宏さんのコンサートに行くんだ!
福山にいる時に、広島公演のチケットが取れなくって、断念していたからだ!
それがこの会津の地で見ることができるなんて、思ってもみなかったんだ。
早々と、道の駅のお風呂に入って、身を清めることにした。
お風呂から出たとき、外は大雨に急変していた。小雨ではなく、どしゃ降りの大雨だった。
恵みの雨かなあ?って思いながら、喜多方から会津に向かう。1時間ほど早く着いたから、福山でお世話になった県災防の方に、まんじゅうを送ることにした。
会場の風雅堂は満車で入ることができず、当日券を手に入れようとしている人で、あふれていた。
いつもの博物館に車を停めて、会場へ向かうことにしたんだけど、雨はいっこうに止む気配が無い!
会場は17時30分からだというのに、沢山の女性であふれかえっていた!
席についてみても前も横も後ろも全て女性で埋め尽くされていた。
トイレも女性用は1階も2階も長蛇の列なのに、男性用はガラガラだった。
17時30分の開演から、いよいよナマの美輪明宏さんが見れるんだ。
俺の席は、1階のS席で、美輪さんを少し上から見るような場所で、前の席の人も気にならないとっても良い席だった。
歌だけで3時間も出来るんだろうか?って思っていたけど、幕が上がってみると、そんな気持ちはすっ飛んでいった!
艶やかな真っ黒のドレスに身を包み、ショートヘアーの落ち着いた大人の女性?を感じさせる風貌と、きらびやかな宝石が美輪さんをひき立てていた。
テーマは、『愛の賛歌』でこの舞台もあるようで、広島では舞台をされていたように思う。この会津ではフランスで歌われていたシャンソンを中心に日本の言葉で歌ってくれた。
全くシャンソンの知識のない俺でも分かるように、トークで内容を話してくれ、どんな情景なのか聞き手の方がイメージし易いようにしてくれていた。
いざ歌い出すと、男と女のやり取りの情景が浮かんできて、後ろの景色までが見えてくる感じがした。
バイオリンを弾く演奏者と、そこで踊る踊り子は映画を見るような・・・タイムスリップした感覚になるのが不思議だ。
歌というものの、美しさ。言葉の美しさ。情熱!感情!っていうものが、こんなに唄うことが出来るなんて、ぼっけえ!おどろいた。(こんな歌手、見たことないもん!)
カラオケやポップスでは聴くことが出来ないものが、身体の中を突き抜けていった感じがした。
美輪さんの生きてきた人生が、表現力として観客に波のような波動で押し寄せてくるんだ。
おしゃべりもとっても面白くってね、建築家の安藤忠雄や、丹下賢三なんかは、建築士の間じゃあ神様みたいに扱ってるのに、美輪さんは・・・・
あの人達が建物をコンクリートの打ちっぱなしなんかにして、建物を悪くしてしまったんだ!『あの人達の前世は、ろくなもんじゃあないのよ!牢屋に入れて、打ち首獄門にしちゃえばいいのに!』って言うんだ!
建築士会の人が聞いたら、ひっくり返っちまう話だったから、思わず大笑いしちまった!
占い師の細木数子もインチキだ!って言ってたよ!
美輪さんのステージを見ていたら、いろんな事が思い出されてきた。
『あの子元気にしてるかなあ?あの時は俺が幼くって、上手く伝える事が出来ずに、傷つけてしまって本当にもうしわけなかったなあ!とか・・・・俺は福山からやっと抜け出せたんだから、もう福山には帰らずに、他の土地で人生をやり直していった方がいいんじゃないかなあ?』とかね。
最後の唄の『愛の賛歌』って、越地吹雪さんが歌っていたものは、フランスの直訳とは大きく異なってるんだってね!
原曲はもっと壮大な想いがあって、愛する人の為なら、私は髪の色も染めるわ!そしてあなたの為なら、世界を敵にするようなウソもつくわ、私はあなたの為なら何だってするわ。あなたと2人の世界に手を取り合って生きましょう!』って唄なのね。
『愛』っていうものは、『私がこれだけしてあげたんだから、これくらいは返してくれるんじゃあないの?』とか『わたしがこんなに愛しているのに、あなたが私のことを何とも思っていないんじゃあないのか?』っていう恐れじゃあなくって、ただ与えるだけで、相手の幸せを願うだけで、健康でいてくれたら、それだけで幸せ!って想う事なんだって!
人間って心がけ一つで極楽と地獄が出来るんだって。
いつも微笑んでいる人は周りの人まで和やかにする事が出来るけど、いつも眉間にしわをよせてガンコな顔をしていたら、人は不機嫌になり、陰気クサクなちゃうんだって。
無償の愛情こそが本当に必要なもの!だって、全身全霊をかけて唄って俺たちに伝えてくれたんだ!
全身に震えがきてね、鳥肌がたっちゃった!
カーテンが降りても拍手が鳴り止まなくってさ、アンコールに応えて出てきてくれた美輪さんは、もう1曲唄ってくれたんだ。
喜納昌吉さんが唄っている『花』っていう歌なんだ。
俺はこの唄が大好きでねえ〜!
何年前かなあ?身も心も疲れ果てて沖縄に旅に出掛けた時に、喜納昌吉さんのライブをたまたま見たことがあったんだ。
そんな思い出のある『花』を大声で唄ってくれたんだ!その時も身体が震えて、涙が止まらなかったよ!
花は『俺の人生の応援歌』だってずっと思ってたからね!
その唄を今日、美輪さんが唄ってくれたんだ!
嬉しくってねえ。当時を思い出しちゃって涙が、ほほをつたちゃった・・・・
『泣きなさあい!笑いなさい!いつの日か、いつの日か、花を咲かそうよ!』
一緒に大声で唄いたかったなあ!大拍手のうちにコンサートは幕を閉じて・・・
なんと、あれだけ降っていた雨が止んでいた!
これにも驚いた!美輪さんが言ってた通りだ!
いつもの『道の駅、喜多の郷』に帰ってきてもぜんぜん眠れない!
こんな事は、この旅で初めてだ!
とっても疲れているのに、興奮してるのかなあ?
外は明るくなちゃった!
米沢に行く予定にしてたのになあ・・・・