7月28日 知床・らうす

・・・『知床・らうす』・・・
7月28日、金曜日、晴れ

朝からなんだか騒がしいなあ?
車の外から『マリオが次のステージに行くには?とか、あのバージョンをあげるには?』とか何とか言ってるのが聞こえてきたんだ。なんだか異常に盛り上がってるぞ?
車の外を覗くと、4人の大学生が合コンを待つ集団のようにはしゃいでたんだ。
いったい今は何時かなあ?
時計を見て殴ってやりたくなった!『午前4時』
『お前ら夏休みじゃけえいうて、ええ加減にせえよ!ドロップキックをくらわしちゃろうかあ!』もう車から飛び出して、全力で走って行きたかったぞ〜!
けどね、そういう俺も、よそ様の駐車場に無断で車を停めて、一夜を過ごしているのだ!
まあ!『こいつらが起こしてくれた』と思って、早起きして『知床』に向かって出発することにしました。
やっぱ、朝の4時には車がいないねえ!いつもは60キロしかスピードを出さない俺が倍のスピードを出して駆け抜けて走ったんだ!それだけ障害物の車が走ってないんだ!
信号もない北海道だから、あっという間に『小清水原生花園』に着いちゃったよ。
ここで洗濯物を乾かして、本でも読みながら、朝の清々しい時間を過ごすことにしたのよ。
だけど、よく考えてみたら、『明日は天気が崩れる!』ってニュースで言ってたのを思い出したんだ!それならば、今日のうちに『知床クルージング』にいかなければ!
そう決断したら悠長にしてなんかいられないぜ〜!
バタバタッと片付をして、知床に突っ走ったんだ。
この知床にはアイヌの人達が暮らしていた所で、場所の名前がアイヌの言葉になって今に伝えられているんだって。

高さ80メートルから流れ出る滝は『オシン・コシンの滝』と呼ばれる場所だった。
なんだか変な名前だね。羅臼岳(らうすだけ)の見える『プユニ岬』、『カムイワッカの滝』って名前もあるんだよ。

『知床岬』の先端に行くには船しか方法は無いんだ。
道路も無いし、ソビエトとの200海里も影響しているから、飛行機も近寄ることが出来ないんだよ!
この知床観光船は、漁師や、船会社などが幾つも会社を創ってるから、窓口がありすぎて、観光客は何処に予約をすればいいか分かんないんだ!
どの船に乗るかによって、ルートも違うし、全く違った印象を持っちゃうからさあ事前によく検討してね。
小型のクルーザーを使った観光船は、岩場の近くまで行くことができるから、迫力はこっちの方が絶対あるだろうね!

大型フェリーに乗ると、日本海の荒波を蹴散らしながら、ゆったりとした4時間の観光を楽しむことができるんだ!
ロシアがすぐそこにある知床の海は、風も強くって船が結構揺れるんだ!
知床岬まで、往復3時間〜4時間かかっちゃうから、その間ずっと船に乗っていないといけないんだよ。
さあ!どっちに乗る?
俺はすぐ船酔いするから『知床観光船・おーろら』(0152−24−2148)の大型フェリーに乗ってクルージングする事にしたんだ。
青空の下、知床の『ウトロ港』を10時に出発!今日は暑くて、日差しがキツイぞ〜!
知床はヤッパリ自然の規模が違うねえ!

満員状態のフェリーの中で、『世界遺産の景色を何とか見てやろう!』って!観光客が押し合い、へし合いしながら、自分の席の取り合いをしてるんだ!
『ここは私が席を取ってるんざあますよ!』なんて言われちゃった!(知るかそんなモン!)
フェリーから、知床岬に向かって進んでいくと、平成11年に大爆発をした『硫黄山(1565m)』が不気味にそびえてるんだ。
見上げると、今にもドカーンと噴火しそうな雰囲気を持ってるねえ!
波が断崖絶壁の岩を削ってるんだけど、その大きさが半端じゃあないんだぜ!
高層ビルくらいの高さがあるんだ。

所々に、自然の滝があってね、高層ビルのテッペンくらいの高さの山から、海に流れ落ちる光景は、まさにダイナミック!
下から風が吹き上げてくると滝が逆流して、水が天に登っていくんだぜ!
1時間ほどした所の、風の通り道にくると、フェリーが大きく揺れるんだ!
海の色も今までとはゼンゼン違った輝きを見せてくれて、サイコーに気持ちがいい!
イヤッホーーーー!
2時間くらいかけて『知床岬』に到着したら、何だかジーンとしちゃった。
目の前はロシアの領域で、『俺はこんな所まで来たんだ!来ちゃったんだなあ!人が足を踏み入れない所まで来ちゃったんだねえ』。

色んな想いを胸に、晴れやかな空に感謝しました。『連れてきてくれてアリガトネ!』
14時に『ウトロ港』に帰って来たときには、全身日焼けしていた。(やっぱりね!)
港の直ぐ上にある温泉に入ると、焼けた肌がヒリヒリと悲鳴をあげるんだ!
真夏の海辺にいるみたいだったよ
この先に『知床五湖』があるんだけど、そこより『知床峠』に車で登って見た方がいい!
知床五湖に行ってみたんだけど、人が多くってさあ、人が歩くたびに砂埃が舞って、空気が悪いし、人間で渋滞ができるんだ。湖を見ても、何処にでもある『池』だから、散歩をするのが趣味な人は歩くといいんじゃない!
それよりさあ、知床峠を車で登っていったほうが断然いいぞ!山道はかなり長く感じたなあ!いつになったら山頂に着くんだろう?ってずっと思ってるのに、全く着かないんだもの!それだけ高い山なんだろうねえ!

やっとのおもいで山頂に着いたんだけどね、その環境はすざまじく変化してて、ウトロ港は、真夏の気配だったのに、この知床峠の山頂は、もうすぐ8月になろうとしているのに、羅臼山には、いまだに雪が残ってるだよ。
さっきは、全身日焼けするくらいジリジリ日差しが強かったのに、30分車で山を登ったら雪があるんだよ!さすが北海道だよねえ!
目の前にデーンと羅臼山(らうすやま)がそびえていて、噴火の時に入ったのかなあ?ズッデ〜ンって地面が斜めにズレてんのよ。なんだか痛々しいねえ!
さっきまTシャツ1枚で良かったのにさあ、山に登ってきたらウソのように寒いんだよ!長袖がなきゃ風邪をひいちゃうよ〜!
羅臼港』の方を見ると、国後島が見えてるんだ。近いんだねえ。
素晴らしい!みんなに見せてあげたい景色だねえ!感動しちゃうよ。
上から睨まれているような羅臼山が左手にあって、右手には、なんと『雲海』が国後島まで広がってて、なんだか雲の上にいる錯覚にはまっちゃった。
そんな世界がここから一望できるんだ!北海道は凄い!
羅臼の手前に、人気の露天風呂があるみたいだから、近くに来た人は行ってみてね!
今日は道の駅『知床・らうす』で就寝よ。おやすみなさい。