7月31日 久しぶりの散髪、釧路

・・・『久しぶりの散髪、釧路』・・・
7月31日、月曜日、曇り

夏だというのに、朝は寒くてしょうがない・・・!
最近は、道の駅がなくても寝れる自分が・・・
本日も『霧タップ市役所の駐車場』で目が覚めたよ!
知らなかったんだけど、ここの朝もすっげえ早いんだ(サイレンが6時前に鳴るんだよ!)

漁師町だからコンブ漁の始まりを告げるサイレンなのかも・・・
街によって、いろんな事が起こるから、旅は面白い!

市役所の庭にある水飲み場で、顔を洗って出発準備完了!!
『琵琶瀬展望台』まで行ったんだけど、まだ霧が晴れてなくって、せっかくの景色が全く見えないんだ!
こんな時は『しょうがない』ってあきらめて、ノンビリ車を磨いて霧が晴れるのを待つのが良い!
突然だけど、日曜の夕方になると大変なことが起こるんだよ。
旅の生命線のガソリンスタンドが平気で休んじゃうんだ!
飲食店も早くに閉まちゃうし、銀行なんかは早々と閉めちゃって、開いてなんかない!ハテサテどうしたもんかねえ?
そんな時は動かず、明日に備えて寝る!これが正解!
釧路に行けば、何とかなるんじゃあないかな?という甘い期待を胸に車を走らせてみたんだ。
ガソリンの量を考えて、60キロで走って燃費を抑えなきゃ!
途中で燃料が無くなっちゃうかも!そう思ってゆっくり走ってたんだけど・・・
この考え方は北海道の人達には受け入れられないみたいだった。
デッカイ北海道はチマチマ走るような道にはなっていなくって、ドーンと真っ直ぐだったりするから、俺の後ろに、どんどん車の列ができて来るんだ!
『なんでよ〜?制限速度は40キロでしょ?』って思う俺なんだけど、『そんな規則は破る為にあるんだよ!』と言わんばかりに、北海道の人は、俺を追い抜いていくんだ!
北海道に入ってから、俺はずっと60キロで走ってたんだよ。
捕まらないようにする為でもあるんだけど・・・、北海道の景色を満喫するには、この
ノロノロした速度がいいんだ!(キレイな景色で止まる事ができるし、いろんな音も入ってくるからね)。
あせってみても始まらないんだよ!人生も!
釧路の町に入ってみてビッックリしたねえ〜
街から少し離れた所に、必要なものが全て揃ってたんだ。
カメラ屋さん・映画館・お風呂屋さん・食堂・本屋さん・スーパー・美容院、何でも揃ってる(このオアシスが出現したことに、俺は興奮を隠せなかった)。
まず、カメラのキタムラで写真を現像してもらい、隣の100円ショップで、お風呂グッズを買って、映画を観るために、スーパーに車を走らせたんだ。
映画の『ゲド戦記』があと1時間で観れそうだ・・・ラッキー!
後半にくるまでは、タンタンと流れる静かな風景と、声優の菅原文太さんがとにかく
上手い!!
田中裕子さんも、よくもまあ・あんなに無表情を表現できるなあ?って感心。
異色といえば、香川の照さんだ!この人がシーンの節目・節目にアクセントをつけて、
映画を面白くしてくれるねえ。
『生きる者で、死ぬことが無い!という者はいないんだ。死ぬことを拒絶するものは、生きることも拒絶することだ。死があるから生きる幸せがあるんだ!』という台詞は胸に突き刺さった・・・
『今は生きるということのバランスが崩れてきている。いろんなチカラが弱まってきている』という台詞も、今の日本のことを指してるんじゃあないかなあって・・・
人生に行き詰まった私たちが・・・古い習慣に縛られて、身動きとれなくなってしまってる!昔の事に執着していると・・・・って言われてるようだったなあ。
この巨大スーパー『ポスフル』で久しぶりにモンブラン(ケーキ)を食べてみた。
こんな幸せも、なかなかチャンスが無いんだなあ〜!ここはパラダイスだね!
旅の間、今まで自分の髪をどうしてたか?というとねえ、鏡を見ながら自分でジョキジョキ切ってたんだ。
だけどついに、自分の目では見えない後ろ髪がメチャメチャになってしまった。
俺の金髪は、頭のテッペンだけ残って、まるで頭の上に玉子焼きを乗せたような姿になっって・・・『もう限界だ!髪を切ってやる!』って観念するしかなかったのさ。
『何処でもいいや!とにかく美容院を探そう!』とアチコチ車を走らせてみた。
大都会なら1つの通りに10件の美容理容院が建ち並んでるんだろうけど・・・そんなのは、ごくまれな都会だけだ!という事を、この旅で思い知らされた。
グルグル走って『ビューテーサロン杏』という美容院がローソンの横にあるのを見つけた。
いつもなら気がひけるのに、何故だかすんなり入っていったのが不思議だった!(扉も開いてたから入りやすかったからかなあ?)
やわらかい姿をしたお姉ちゃんに、『どうしましょうか?』って聞かれて・・・
『今まで自分で髪をきりょうたんじゃが、後ろ髪のほうがどうにもならんようになってしもうたけえ、切ってつかあさい!』って備後弁全快でお姉さんにお願い!(快くお姉ちゃんは引き受けてくれたよ)
『美容院は昼間のスナック』とはよく言ったもんで・・・お姉さんは髪を切るだけじゃあなくって、聞き上手だったなあ・・・!
いろんな質問を次々と振ってきてくれて、俺は知らない間に、今までの旅のことをベラベラ喋ってたんよ。
それがなんだか楽しくって・・・夜の飲み屋で大金をはたくより、よっぽど楽しかった!2600円で髪も気持ちもリフレッシュできて、とても満足でした。
御飯を食べて、外に出ると『お持ちの本をお売りください』という看板が飛び込んできた!この旅で、本を読むようになったから、読み終わった本はたくさん持ってたんだ。
整理しないと狭い車はドンドン息苦しくなっていく。
この旅のモットーは、『権力もお金も無くても、キレイでいよう!汚い格好はしない。服装も、ヒゲも、車も、心も、清潔感を忘れないでおこう!』そういつも思ってる。
本屋に入って、『マンガじゃあないんですけど引き取ってもらえます?』って聞いてみたら、店員さんは変な顔をして、『うちは風俗モノしか扱ってないですから、これは引き取れませんねえ!』っていうんだ。意味がわかんない?
店の外に出てもう一度振り返ってみると・・・看板の名前と店の名前が違ってたんだ!
看板の店は潰れてしまっていて、今は風俗ビデオ専門店に変っていたんだ。
『なんじゃあこりゃ?』そう思ったんだけど、せっかくだから・・・。夜の遊びの無い街には必要なものなんだろうねえ。
きょう読んだ『大竹しのぶ』さんに影響されてしまった!
仕事をしていた時の自分について振り返ってみようと思うんだ。15年間の間に、こなしてきた建築の仕事を振り返ってみようと思う!
明日も釧路に滞在しそうだ!
今日は銭湯の駐車場で就寝。おやすみなさい。