とうとうここまで来た・・・・沖縄!(2)

船が出航する頃になると、太陽が雲の隙間から顔を出してきた・・・
その光景は『神様の領域』のような雰囲気にみえて神々しくて・・・感激してしまったほどだ。

ここから徳之島に向かうまでの間に・・・雲が晴れ、太陽が昇ると 気温もグンっと上昇し、Tシャツ1枚あれば過ごせるほどになっていた。(12月だぜ!鹿児島の気温が1度だったのがウソのようだ!)
ここからいくつもの島を経由していくんだけど、沖縄に近付くにつれて南国の景色に変っていく。

そんななか・・・船内はヒマを持て余した人達で溢れていた。
ヒマをもてあました船内では、誰かにちょっかいを出したくなる!!
19歳の少年をとっ捕まえて『お兄ちゃんはどこから来たの?』と話しかけてみた。
奈良から4日間かけて、なんと『ヒッチハイクで鹿児島』まで来たんだって・・・
このお兄ちゃんは、何にも考えず勢いでこのフェリーに飛び乗ったらしい!
お兄ちゃんは『沖縄で働きたい!』という、根拠のない思いつきだけで、この船に乗っている・・・本当に何も考えてないし、沖縄の情報もなんにも知らないんだよ!
・・・そんな彼の行動力が羨ましかった。
『何とかなるさ!』と常に言ってる彼と、『あの頃に戻れない自分』があまりにも年を取りすぎてしまったように感じてしまう。
船にはもう一人、疲れ果てた50代のオジサンが乗っていた。
コンピューターの会社で働いていたオジサンは・・・時代の流れに呑み込まれた。
都会で『社長』として働いていたのに・・・仕事がなくなった。
目の前にあるカバンに全ての生活品を詰め込んで『沖縄に人生最後の楽園』を見つけようと、このフェリーに乗り込んでいた。
いろんな人生を抱えてこのフェリーは沖縄に向かっている。
凄いリアルな状況が、目の前で語られて、誰もそれ以上深く聞こうとはせず・・・沖縄に希望を求めて旅をしている。
沖縄の『那覇港』には・・・予定よりかなり遅れて21時に着くことになった。
なんと29時間の船旅だ!!
かなり身体にダメージを受けてしまった俺は、3時間経った今も船に揺られている感覚が治らない・・・・。

那覇の町は日本とは違うアジアの匂いがして、ここに住みたくなった。
コンビニがあったことにホットした自分がいたし、地元と変らないお店があったことに感激してしまった。
『嘉手納基地』がある場所に・・・なんと『道の駅』があった。
日本の本土と全く変わらない状況に安堵した私は・・・道の駅を目指して走っていた。
本当に、今日は疲れた・・・・だけど興奮して寝れない。
どうしよう・・・
アッ・・・雨が降ってきやがった!
沖縄に来ると雨なんだよなあ〜!
おやすみなさい。